
同じ会社の中で作られているはずの数字なのに、
営業、経理、経営で見ている数値が一致しない——。
この状況は、決して珍しいものではありません。
そして多くの場合、「どこかが間違っている」のではなく、部門ごとの役割と目的の違いが、数字の見え方を変えていることが原因です。
まずは、その構造を整理します。
各部門は、それぞれ異なる役割を担っています。
例えば「売上」という言葉一つを取っても、
といった違いがあります。
それぞれの視点は正しいにもかかわらず、前提を揃えないまま数字を並べることで、噛み合わない状態が生まれます。
数字の不一致は、単なる集計ミスではありません。
多くの場合、「何のためにその数字を使うのか」という目的の違いが背景にあります。
例えば、
目的が異なれば、含める範囲や粒度も変わります。
その結果、同じ名称でも中身が異なる数字が生まれます。
問題は、その違いが明文化されないまま、同じ表の中で比較されることです。
ここからは、現場でよく見られる具体的なミスマッチを整理します。
「自社でも起きているかもしれない」という視点で確認してみてください。
営業部門では、
を含めて売上見込みを作ることがあります。
一方、経理は、
のみを扱います。
この違いを整理せずに数字を比較すると、
「営業の予測と実績が大きくズレている」
という議論になりますが、実際には基準が違うだけというケースも少なくありません。
製造や購買が関わる場合、在庫や原価の扱いでも差が出ます。
それぞれの立場で「正しい粗利」を見ているにもかかわらず、
同じ「粗利」という言葉で議論することで混乱が生じます。
もう一つ見落とされがちなのが、更新タイミングの違いです。
この状態で集計すると、
異なる時点のデータが同じ資料に混在します。
結果として、
といった確認作業が繰り返されます。
数字が噛み合わない状態が続くと、調整作業そのものが増えていきます。
その結果、計画業務は本来の目的から離れていきます。
部門間のズレを埋めるために、
といった対応が常態化することがあります。
この状態では、担当者がいなければ数字の背景が分からないという属人化が進みます。
会議直前に、
といった調整が行われるケースもあります。
一時的には整合が取れますが、
根本的な定義や仕組みが変わらない限り、次回も同じ調整が必要になります。
部分的な修正が入るたびに、
といった連鎖が起きます。
仕組みとして連動していない場合、
修正のたびに全体を再集計する必要が生じ、計画が不安定になります。
ここまで見てきたように、営業・経理・経営の数字が噛み合わないのは、
誰かの努力不足ではありません。
といった構造が背景にあります。
重要なのは、「どの数字が正しいか」を議論することではなく、
どの目的で、どの定義の数字を使うのかを整理し、仕組みとして統一することです。
そのためには、
といった選択肢を比較しながら、自社に合った進め方を検討する必要があります。
次の記事では、
部門間の数字ズレを防ぐための具体的な進め方を、仕組み別に整理します。ぜひご覧ください。
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